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いちおう晴将(短め/軽め)

陽避けの太陽

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真夏の夕刻前。
ふと目を覚ますと、目の前に将之がいた。
西に傾いた陽射しの当たる廂。
将之の後ろには、部屋の奥から移動させたのか、几帳。
目の前の将之は座った状態で、居眠りをしている。
そんな状況を眺めながら、晴明は自分が眠りに落ちる前のことを思い返した。

じりじりと照りつける夏の太陽を逃れて、東や南側の廂から移動して来たのが、昼前。
昼食を取って、この西側の廂で、一時ほど書を読むつもりだった。
読み始めてまだそう時の経っていない、午後の暑い盛りにザアッと俄雨が降って、いくらか過ごしやすくなった。
ほっと息を吐いたところまでは覚えている。
ということは、涼しくなった途端に、居眠りをしてしまったのだろうか。
まあ、ここ数日は、夜も寝苦しくて、確かに寝不足だったかもしれないが・・・。
自分の身体の正直さに、晴明は微笑う。

今自分が横になっているこの場所は、夕時になると西陽が当たる。
その前には書を読み終えて、また移動するつもりだった。
晴明の前にいる将之はちょうど、まだ西陽になる少し手前の陽射しを、晴明の顔から遮る場所にいる。
将之の後ろにある几帳は、晴明の身体に陽が当たるのを遮っている。
そろりと腕だけで起き上がって、将之へとにじり寄る。
閉じた瞳と、少し開いた唇。額には、うっすらと汗。癖のある将之の髪が、汗で貼りついている。
つぅー、と。くるりと跳ねたもみあげを伝って、汗が流れる。それはそのまま顎へと流れ、尖った顎の先から滴った。
滴った先の、組んだ足の上。夏の薄い衣に残る、いつくもの汗の痕。
いったい、どれほど前から、ここにいるのだろう。こうして、暑い陽から、眠る晴明を遮っているのだろう。
藤原の御曹司が。左近衛府の少将が。一介の陰陽師などの陽避けになって。

手を伸ばして、将之の頬を触る。
自分の手に触れると、いつも冷たくて気持ち良いと言う将之が、少しでも涼しくなると良い。
触った頬は、暑かった。当たり前だ。その頭に、背中に。夏の強い陽射しを浴びているのだから。
「・・・晴明?」
少し掠れた声がして、将之も目を覚ます。
寝ぼけ眼を瞬きながら、にこっと笑う。
「よく、眠れたか?」
その笑みに、晴明もふわりと微笑う。
「暑いだろう?御簾を、下げれば良かったのに・・・」
「だって・・・」
寝起きの口調は、少し幼なさを伴う。
「それじゃあ、せっかくの、気持ち良い風が。少ししか、入らないだろう?」
言いながら、首下の汗を手の甲で拭う。
自分はこんなに暑くなって、汗を滴らせているのに。風が心地良いのは晴明だけだ。
起き上がって、将之の頭を抱き込むように、抱きしめた。
「晴明。衣に俺の汗がつく」
頭を離そうとする将之を、更に強く抱きしめる。
「そんなことは、別に構わん。こんなに頭を暑くして。中身が沸いたら、どうするんだ」
心配に、意外と低く声が響いた。
「晴明は、冷たくて気持ち良いな」
ほっとしたように息を吐いて、将之の笑った声が身体を伝わって聞こえる。
まさしく将之のお陰で、日影の床板に俯せで寝ていた晴明の胸元は、確かに少し温度が低いだろう。
「大丈夫。ここに来る前は、一番暑い盛りに、炎天下で稽古してたんだから。沸くならとっくに沸いてるよ。さっきの俄雨で解散になったんだ」
将之も晴明に腕を回して、座ったまま抱きつく。将之が抱きしめた晴明の腰の辺りも、将之の暑い腕よりは涼しく感じた。

「此処は暑いから。西陽が当たらない処へ移動するぞ」
晴明が将之の頭を解放して、促す。
読み終わらなかった書は、もうとっくに晴明の手から離れた処にあって、明日片付ける事にする。
「今夜は涼しくなりそうだから、泊まっていけ」
決定事項として言う晴明に、将之は嬉しくなった。
いつもの晴明なら、泊まっていくか?と、いちおう将之に委ねる形にするのに。
「うん。そのつもりで、酒も肴も持参した」
嬉しそうに笑う将之に、そろそろ西陽に近付いてきた逆光が当たって、眩しく見える。
西陽よりも眩しい、陽光の笑。
目映いほどの陽の気なのに、灼かれることはない優しい温かさ。

ああ、ここに。
私のための陽はあるのだと。
みなから愛される柔らかな陽光。
私だけのものではないけれど。

それでも

私に微笑む

私の太陽







----------

やっと仕上がりました。短く甘めの晴将。
最後はお約束な感じのポエミーにしてみました。
晴明サマに胸があったら、将之は鼻血を吹いてるところなのに(笑)。
あ、そうだ。これのインスピ元は、化石の海の「遮蔽物」です。
将之は、言われる前にどっかり座ってます。


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~ Comment ~

こんにちは

こんにちは、はるかさんv

いや~、素敵なお話ですね!
晴明様を西陽から護る将之君!!
さすがです!!(≧◇≦)

晴明様もとっても嬉しそうv


私だけのものではないけれど。

と、ありますのでまだ友達同士のお二人なのかな?

切なくて素敵ですねv

とても良いお話を有難う御座いました!

次作も楽しみにしております\(^o^)/




ありがとうございます!

ゆきんこさまv

将之バージョンもupしてみましたー。

>私だけのものではないけれど。
>まだ友達同士
あ、そうですよね。
あまり深く考えてなかったですが、ウチの晴明サマは、恋人になっても常にこの思考かな。
将之も多分、自分が誰か一人のものになるって思考がないです。
ただ、将之は晴明のことを「俺の」って思ってます。
が、「俺だけの」って思ってるわけじゃないです。
晴明サマも「私の」だけで満足出来れば幸せなのに(^_^;)

なんて、コメントしながら気付きました。

あ、ところで、ゆきんこさまのブログに書き込んだお話の、続きがちょっぴりあるんですが、またあちらに書き込んでしまっても大丈夫でしょうか?

此方にもこんばんは

此方にもこんばんはv

続き掲載大丈夫ですよvv

ありがとうございますv

ゆきんこさまv

ご許可ありがとうございます!
ちょっと今日は終日外出なので、また夜にでも。
続きも意外と長くなりそうなので、どうしようか思案中です。
なるべく将晴に見える続きになると良いのですが・・・。
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