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総もくじ  3kaku_s_L.png 晴将(長め/ちょっとあり)
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「晴将(長め/ちょっとあり)」
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最近ふと、晴明の様子がおかしいと思うことがある。
ぼーっとしているというか、心ここにあらずのような。
はじめは、俺と話している時や酒を飲んでいる時などが多かったので、ここのところいろいろあったし、気が抜けているのか?とか、疲れているのか?と思っていた。
先の橘影連とのことがあって、実際に身体は疲れているだろう。
精神的に落ち着くまでには時間が掛かると思う。
影連とは、どれほど複雑な関係だったのだろうか。
最初は兄弟弟子で、それなりに仲も良かったのかもしれない。
歳が近く、実力も同じくらいであるなら、公私共に仲が良くなるか、悪いと言っても好敵手として認め合う関係ではないだろうか。
俺から見れば、晴明は繊細で神経が細やかな部分があると思うが、影連はもっと、神経質というくらいに、生真面目な性格だったらしい。
らしい・・・というのも、俺はああなってからしか知らないから、邪悪で太々しいイメージしかない。
晴明に直接訊くのは、さすがに躊躇われて、たまたま出仕中に会った時などに、忠行どのや保憲どのに訊いてみた。
ちなみに藤哉も、直接は知らないそうだ。
影連がいなくなった後、晴明が忠行どのの屋敷から独り立ちし、都の鬼門を守る位置に館を構えてから、藤哉は弟子となったのだそうだ。
独り立ちとはいえ、晴明は今でも陰陽寮に勤めておるし、その位置に移ること自体が、師匠の指示だったのだろう。

俺と晴明は大人になってから知り合った親友だが、小さい頃から一緒に暮らしていた兄弟弟子であれば、やはり兄弟のような感覚だろうか。
自身のことから推察すれば、一緒に育ったのは姉上だけだが、その姉上が亡くなったら、ということは考えたくもないし、自分は相当ひどく落ち込むだろう。
どのくらいで立ち直れるかなど、想像も出来ない。
既に道を別ってから何年も経っていたし、そこまで仲が良かったわけではないかもしれないが、それでも互いの想いの深さは、俺から見てもかなりあった。
互いに相手へのこだわりがあった。
自分でなければ、相手でなければ、という思いがあった。
だからいつも、仕掛けられていたし、迎え撃っていたのだろう。
晴明は「おまえがいてくれる。それだけでも、影連どのに対しては、大きな負い目だ」と言っていた。
自分があいつと共にいるべきだったと思っているのだ。
想いを共有できないことがあったから、袂を別つことになったわけだけれど、それでも・・・と。
二人のことは二人にしか分からないから、どうとも声を掛けられずにもどかしい。
晴明・・・。早く元気になるといいな。

今夜も、俺は酒と肴を手に晴明の館を訪れていた。通う頻度は上がっている。
なんとなく放っておけない気になるが、他の者達はそこまで頻繁ではない。
気を使ってそうっとしているのだろうか。それとも、俺が通っているから遠慮しているのだろうか。
なんだかそんなことを考えてしまって、どうにも気になった。
あまり通い過ぎると、他の者に邪魔だろうか。前はそんなこと、気にもとめていなかった。
自分の好きで行くのだし、行ってみていなかったり、先客がいて取り込み中でも、仕方ないで済ませられていた。
でも今は、俺も気が焦っているのかもしれない。
他に通う者はいないのだろうか。他に親しい者は?
自分は代わりに通っているわけではないけれど。
今まであいつとは会ってもいなかったのだし。
でも、なんだか、失って空いた大きな穴を埋めなくてはいけない気にさせられた。

二人の最期のやりとりを、詳しく聞いたのは、だいぶ後になってからだった。
直後に聞いていたのは、
一、助けるつもりで一緒に冥穴へ落ちた。(これは、俺も結界に飛び込んだから、良く分かる)
二、が、力尽きてしまい、それを影連に助けられた。(おい!しっかりしろよ!と思うが、俺も人のことは言えん。それに、やっぱりあいつはこいつを助けてくれるんだなって、嬉しかった)
三、穏やかな表情で消滅を迎えられた(良かったな)
この三点だけだった。
事の直後は、晴明は穢れの物忌みだの、俺は後始末だのでお互い忙しかったのだ。
その後、晴明が播磨へ赴く際に、良源どののおかげで追いかけた時、へべれけになりながら、もっと詳しく聞いた。
「共に在りましょう」と言ったこと、笑顔で「きらいだ」と言われたこと・・・。
こいつの中にあいつが一緒にいるとかと思ったら、「今度はこうして、一緒に酒の飲めるヤツだと、いいよなあ」という言葉が、自然にこぼれた。







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とりあえず、序章という感じ。


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