スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←共に・・・ 壱 →共に・・・ 参
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


総もくじ  3kaku_s_L.png 晴将(長め/ちょっとあり)
  • 【共に・・・ 壱】へ
  • 【共に・・・ 参】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「晴将(長め/ちょっとあり)」
共に・・・

共に・・・ 弐

 ←共に・・・ 壱 →共に・・・ 参
近頃やっと、晴明のおかしい様子の傾向が、ぼんやりながら分かって来た。
まず、二人だけで酒を飲んでいる時。場所は使用人の多い俺の屋敷よりも、ほぼ二人きりに近い晴明の館や、遠出先の古寺といった人気の少ない場所。
時間は、ほぼ夜。お互いにほど良く酔いが回る頃。
こちらも酔っているから、それほど記憶に残ることでもなく、なかなか統計立てて考えられずにいたのだ。
それでも、酔った上での差異に気付いた自分は、つくづく晴明を好きなのだと思う。そんなに見ている程には。
ほろ酔いのふわりとした楽しい気分の中、それはすうっと現れる。
俺といる時には良く見せる、晴明の穏やかな笑み。俺には見慣れたものだが、宮中で珍しく見かけた者達からは、今でも驚きの声を掛けられる。
曰く「驚いた。晴明どののあんな顔は、はじめて見た」と。
俺に言わせれば、あいつはそんなに無口なわけでもないし、職務柄、常に冷静であろうとしているとは思うが、冷徹なわけではない。
俺は特に、調伏に居合わせることが多いからかもしれないが、方術を使うあいつは激しく、強く、熱い。
武術ではないから、相手と直接切り結ぶわけではないけれど、闘っていることにはかわりないのだ。涼しい顔ではいられない。
激しい熱さも秘めている晴明は、それでも清涼な雰囲気を持っていて、それは俺も同意する。
冷涼まで冷たくなくて、清浄ほど清らか過ぎない、清涼だと俺は思っている。
そんな晴明の気配が、酔って緩んでいたにも関わらず、すうっと冷涼になることがあるのだ。
ふと違和感を覚えて顔を見ると、先ほどまでよりも少し硬い気がする。
穏やかな笑みに酔いが加わって柔らかになっていたのが、また穏やかに戻っている。
和やかな穏やかさというよりは、静かな穏やかさ。
そんな時の晴明は、ほとんどしゃべらない。ただ静かに微笑んで、俺を見ている。
涼やかな目許には酔いは見えず、別人のように感じて、俺は急に心許なくなる。
何なのだろう、この感覚は。ふいに、友から置いてきぼりを喰らったような。

「・・・晴明?」
今夜は、声を掛けてみた。特に深い意味はない。
違和感として不思議に思うだけで、所詮は酒の席だ。
何か害があるわけでもなく、大した事ではない。
呼びかけても晴明は、静かに微笑を深めるだけ。
それを見て、俺も笑う。晴明が楽しいなら、俺も嬉しい。
自分の盃を干し、晴明に瓶子を向けて勧めた。
晴明も残りを飲み干し、盃を向けて返す。
そろそろ手許もあやしくなっているので、溢れそうなぐらい注ぐ。
どうにか零さず口許に寄せて一口飲み、今度は晴明が俺に瓶子を向けてきた。
盃で受けると、だいぶ酔ているのか、こちらは溢れさせた。
俺の手首まで酒が伝うのを見て、
「すまぬ」
少し慌てたように言った晴明に、突然頭の中でカチリと合点がいった。
思い浮かんだ言葉が、そのまま口をついて出る。
「・・・影、連・・・どの?」
驚いたように目が見開かれる。それから一度瞳を伏せ、少し寂しそうに微笑んだ。
「『どの』はやめて頂けまいか。将之さま?」
姿も顔も声も全て晴明なのに、口調が違うのが分かる。
「では御許も『さま』はご遠慮願いたい」
もし、晴明から紹介されるような、普通の出会い方であったなら。友の兄弟子である影連には敬意を持って、保憲どのに対するように接していたはずだ。
そんな相手に上位の敬称を付けられても困る。
「承知した」
そう言ってこちらを真直ぐ見た表情は、ちゃんと影連に見えた。







----------

はい、出で参りました。影連どの。
こちらが初めて書いた王都なので、この前upした「猪流処世術」は、ここから派生しました。


関連記事
スポンサーサイト


総もくじ 3kaku_s_L.png 晴将(長め/ちょっとあり)
総もくじ  3kaku_s_L.png 晴将(長め/ちょっとあり)
  • 【共に・・・ 壱】へ
  • 【共に・・・ 参】へ

~ Comment ~

こんにちは

こんにちは、はるかさん。

影連が晴明様の中に居るお話しなのですね。
私もこのお話し考えていました。
三角関係が顕わになるので結構難しいテーマですよね。
最終的にはどうなるのでしょうか。


連載頑張って下さい。

こんばんは〜

ゆきんこさまv

コメントありがとうございます!

> 影連が晴明様の中に居るお話しなのですね。
そうなんです。最初に思い付いたのお話なので、やっぱり最終話の「蜃楼都市」の影響をそのまま受けている感じです。

> 三角関係が顕わになるので結構難しいテーマですよね。
はい。とりあえずウチは、晴明サマが一人でグダグダしてます。

> 連載頑張って下さい。
ありがとうございますv
ちゃんと連日更新出来るように、ガンバリマス。

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。
  • 【共に・・・ 壱】へ
  • 【共に・・・ 参】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。