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「晴将(長め/ちょっとあり)」
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庭から吹いてきた風が涼しさを運ぶ。清涼な晴明よりも少し鋭い、冷涼な気配。
鬼になる前の、晴明が良く知っている、一緒に過ごしていた頃の影連は、こんなだったのだろうか。
高雄で会った記憶のない影連を、晴明は違うと、こんな影連は知らないと言っていたが、確かにあの穏やかさと、今目の前にいる影連は、違うと思える。
「晴明は、寝ているのか?」
「いや、起きてはおるが、ほろ酔いだな」
いちおう本人も、この状況は把握しているらしい。
「晴明とは、中で話したり出来るのか?」
「話すことは少ないな。感じることがほとんどだ」
「そうか。話をするなら、俺の身体を使うか?こちらに移るとか出来るのだろうか?俺とじゃなくて、晴明と飲みたいだろう?」
同じ身体にいると、それは出来ないだろうし。
晴明の身体で、影連がくつくつと笑う。なんだか変な感じだ。
「本当に人が良いな、そなたは。私に害意があるとは思わぬのか?そちらに移れたとして、少将の身体で晴明を殺すかもしれぬではないか」
そんな物騒なことを言っていても、気配は冷涼なまま。邪気も殺気も微塵もない。
俺は、ため息を吐いた。
「晴明も大概イイ性格だと思うがな。さすが兄弟子。素でもそれか。もしかして晴明のあの性格を鍛えたのは、御許なのか?」
「さあ?あれは、元からあんなだったと思うが」
同時に吹き出した。
晴明の姿をしている影連と、晴明を笑う。変な感じだが、これはこれで楽しい。
「良かった。一度、あなたとこうして話してみたかった。友が大切に想っている人を知っておきたかった」
影連がふわりと笑う。
「もしかして、『一緒に酒を飲みに』来てくれたのか?いつか、俺がそう言ったから?」
「・・・そうかもしれぬな」
「晴明と飲みたくなったら、いつでも言ってくれ。貸せるものなら俺の身体でも貸すから」
「そんな力はもう、残っておらぬ。今はただ、ここにこうして在るだけだ」
「そうなのか。残念だな。では、たまにでいいから、また俺と飲んでくれ」
純粋に、これきりなのは名残惜しいと思ったのだ。

夜風がブワッと吹いて、部屋の温度が下がる。
目の前の影連が、なぜか怒っているように見えた。
「・・・あの、俺は、何か失礼なことを言ってしまっただろうか?それなら申し訳ない。あなたとの時が思いの外楽しくて、調子に乗ってしまった」
そうだ、この人は藤原が嫌いなのだった。思い出して哀しくなった。
思わず俯いた目の前に、手が伸びてきて、首をつかまれた。そのまま勢い良く後ろに倒される。
「―――っ!」
酔いが回った身体ではとっさに避けられず、受け身も取れずに、強かに頭を床板にぶつけた。
叩き付けられた勢いで息が詰まる。反射的に身体を丸めて咳き込んだ。衝撃でクラクラする。
後頭部の痛みに少し頭が冷えたが、酒のせいか視界がグルグルしたままだ。
首はつかまれているだけで、絞められているわけではない。
それでも苦しくて、閉じた目尻から生理的な涙が出た。
首許の手が緩む。流れ込んだ空気に、また咽せた。
呼吸が落ち着いてからも、俺はその体勢のままでいた。
目を閉じて、身体は弛緩させ、いかにもぐったりと横たわっている。
突き倒されたからといって、臨戦態勢になるような事態ではない。やはり邪気も殺気も全く感じないのだから。
多少鋭くなった冷涼な気配と、小さな怒り、それから・・・戸惑い?を感じるだけだ。
俺の何が怒らせたのだろう?自分が情けない。寝転んだまま俺は凹んでいた。







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凹む将之さん。自分で書いてて、カワイイと思ってました(笑)。
「狂風」の、途中まで影連に抵抗しない将之さんが、ちょっとツボです。


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