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「晴将(長め/ちょっとあり)」
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晴明の声が身体の中と耳の両方から聞こえる。

影連どのは、明快なおまえと違って、少しややこしい方だった。
でも好きだったから、理解したいと思った。
私は影連どのからいろいろなものを頂いたのに、何一つお返し出来ていないのが悔しい。
あの時、影連どのが師匠の元を去った時、私も共に行けば良かった。そればかり思う。
私が居ても、何の役にも立たなかったかもしれないけれど。
予見の通りに二人で都を焼き尽くしてしまったかもしれないけれど。
そうしたらきっと、師匠や保憲どの、それから将之、おまえに。私も影連どのと一緒に調伏されていたのかな・・・。
私はあの時、影連どのと共に行かれなかった。その勇気がなかった。影連どのの全てを受け入れるだけの度量も自信もなかった。
なのに、そんな私には今、将之・・・おまえがいてくれる。
私は、影連どのにとって、私にとっての将之のような存在になりたかったんだ。
私を私として受け入れてくれる。悩んで落ち込んでいたら、明るい方へ導いてくれる。間違った方法を取らないように、正してくれる。
励ましてくれる。癒してくれる。笑顔にしてくれる。
そんな存在になりたかった・・・。

泣いているのかと思って、不安になった。
顔を上げた晴明は、泣きそうな表情をしているのに、涙は流していなかった。
一気にしゃべって、苦しそうに微笑む。
晴明のもどかしい感情が流れ込んできて、心臓が締め付けられた。
苦しさに胸を押さえ、目を閉じる。自然と涙が溢れ出た。
ああ、俺が晴明の代わりに泣いているんだな。
何の違和感もなくそう思えた。
「将之・・・なぜ、おまえが泣く」
驚いたように、晴明が俺の頬に手を伸ばす。
指で拭われても、はらはらと涙は流れ続ける。
「おまえの代わりに泣いてやってるんだ」
泣いているとは思えない、落ち着いた声が出た。
「泣き顔が見たいとも言われたし。ちょうどいいじゃないか」
涙を流したまま笑う。
「・・・自分の手で泣かせたのでないなら、喜ばれぬと思うが」
「どう考えても、影連のせいで泣いているんだろう」
俺の涙は止まらない。これが晴明の代わりなら、晴明はどれだけの涙を流したいんだろう。
自分で流せるようになれば、もう少し救われるのだろうか。
泣き止まない俺の頬を両手で拭って、そのままゆっくりと晴明が接吻ける。
先程の戯れとも、影連の激しい接吻けとも違う、ひどく優しい接吻。
「・・・将之、分かった。おまえが泣いていると、私も哀しい。でも、おまえの涙で、少し・・・癒されたような気がするよ」
そう言ってふわりと微笑った晴明は、少しぎこちなかったけれど、いつもの晴明だった。

散乱した酒器はそのままに、一緒に床に着いた。
俺の涙はいつの間にか止まっていた。
肩が触れ合うくらいくっついて、床を並べて寝る。
「添い寝してやるから、ゆっくり寝ろよ」
長い銀糸を撫でて、整えてやる。
「添い寝など、ほとんどされた、ことはないなぁ」
眠そうな声で、晴明が呟く。
「そうか。俺は高雄にいた頃、良く姉上にわがままを言って、してもらってた。大好きな人が、ただそこにいてくれるだけで、嘘みたいに安心して眠れるんだ」
晴明の額に軽く唇を寄せる。昔、姉上がしてくれた。
「おやすみ、晴明」
程なくして、安らかな寝息が聞こえて来た。
それを聞きながら、俺もいつしか眠りに落ちる。
あぁ、今夜はなんだか疲れたな・・・。







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おやすみのキスを、二歳下(はるか妄想)の弟にしちゃうとか、姉上どれだけおしゃまなのよ(笑)。
でもそうやって、将之くんはみんなに大事にされて育ったと思います。
だから、他人を受け入れられる器の大きい今の将之さんになれたのだと思っています。


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