スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←明日から姉上のお話です →共に・・・〜幕間〜  弐
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


総もくじ  3kaku_s_L.png 晴将(長め/ちょっとあり)
  • 【明日から姉上のお話です】へ
  • 【共に・・・〜幕間〜  弐】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

とにかく将之(親友/姉上/他)

共に・・・〜幕間〜 壱

 ←明日から姉上のお話です →共に・・・〜幕間〜  弐
「彩子さま、将之さまがいらっしゃいました」
女房から声が掛かる。昭陽舎の女御、彩子は入口の高い位置へと目を向けた。
「姉上、お邪魔いたす」
声を掛けながら、弟の左近衛府少将、将之が入って来た。
自分が座っているから、というだけの理由ではなく、首を動かして見上げなければならない弟の体躯を、誇らしく思う。
「いらっしゃい、将之。今日はどうかしましたか」
「いえ、だだ、姉上のお顔を拝見しに伺っただけです」
そう言って微笑んだ笑顔には、いつもの元気が少し足りない。
「そう。都の様子はどうですか。少し、疲れているようですね」
「ええ、まあ。日々復旧はしているのですが、なにしろ被害が大きかったので、なかなかすぐには。
鬼の残りを蹴散らしたり、建材を運ぶのを手伝ったり、ケンカの仲裁をしたり・・・けっこう大忙しです」
将之が苦笑する。
「ちゃんと、休んでいますか。身体が大きくなっても、丈夫で頑丈で腕っぷしが強くなっても、休養は大事ですよ」
「姉上・・・」

今でこそ、猪少将と呼ばれる将之だが、幼い頃は病弱で虚弱な子どもだった。
まずは健康で丈夫な身体になるよう努力して、それを手に入れてからは、今度は大きくて頑丈で強い男になるよう努力して、今の立派な体躯と、武芸の腕を手に入れたのだ。
生まれてからずっと一緒に過ごしていた姉の彩子は、それを全て傍で見てきた。
幼い時には、母方の別邸である高雄で、一緒に剣や乗馬の稽古もした。
姉弟で取っ組み合いの喧嘩をすることもあった。
虚弱な頃の弟は身体も小さく、彩子が負けることはなかった。
将之が彩子の背を追い抜き、腕力も強く逞しくなった頃、初冠に合わせて都に戻るまで、姉弟はいつも一緒に笑って過ごして来たのだ。

「滋養のつく物を食べて、お役目に励むのですよ」
「はい。姉上、あの・・・そちらに、行ってもいいですか?」
姉弟といえど、普段は御簾越しなのだ。
「まあ、珍しい。どうぞいつでもおいでなさい」
そう言って、彩子が御簾を上げて招く。
静かに入って来た将之は、彩子を見て嬉しそうに微笑んだ。
「良かった。姉上はお元気ですね。直接、お顔が見たかったんです」
「将之・・・?」
「ちょっと、くっついていいですか」
照れたように言って、衣越しに膝が触れ合うほど、将之がにじり寄って来た。
彩子は黙って、将之の頭から冠を外す。
「姉上?」
「どうせなら、少し寝てお行きなさい。御簾越しよりもずっと、疲れた顔をしていますよ」
言いながら、するすると上着を脱がせてゆく。
「ちょっ、姉上!手慣れ過ぎてて怖いですよっ」
「馬鹿なことを。おまえの初冠で束帯を着せたのは私ですよ」
「そういえば、絶対ご自分が着せるとおっしゃって、千華を困らせていましたっけね」
されるがままで、将之はため息を吐く。
「だいたい、帝ですらご自身でされます。私に脱がされている時点で、おまえが子供なのです、将之」
「そんなことをおっしゃると、添い寝してって駄々捏ねますよ」
拗ねたように言う将之を、彩子は笑って抱きしめた。座っている将之に対し、膝立ちになって頭を胸許へ抱える。
「一緒に寝るには、さすがに育ち過ぎてしょう」
そのまま腰を下ろすと、自然と将之の上体が傾ぐ。頭を膝の上に置いてしまえば、彩子の方を向いて横たわる体勢になった。
「こうしていると、高雄にいるようですね・・・。自分が、姉上より大きく、なったなんて、忘れてしまう・・・」
脱がせた上着を将之の肩に掛ける。とん、とん、と指先でゆっくり拍子をつけて、彩子は眠りを促した。







----------

「共に・・・」本編の壱と弐の間のお話です。
まだ将之は、晴明の中の影連に会ってない状態です。



関連記事
スポンサーサイト


総もくじ  3kaku_s_L.png 晴将(長め/ちょっとあり)
  • 【明日から姉上のお話です】へ
  • 【共に・・・〜幕間〜  弐】へ
  • Tag List 
  •  * |

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。
  • 【明日から姉上のお話です】へ
  • 【共に・・・〜幕間〜  弐】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。